範囲の経済
はんいのけいざい
ひとことで言うと
複数製品を同一企業が生産することで、別々に生産するより総コストが低くなる経済的効果。
解説
複数の製品・サービスを一つの企業が同時に生産・提供する場合に、それぞれを別々の企業が生産するよりもコストが低くなる現象。経営資源(技術、ブランド、流通チャネル等)の共有・転用によって実現される。多角化戦略の経済的根拠の一つであり、シナジー効果とも密接に関連する。
くわしく解説
範囲の経済とは、二つ以上の異なる製品・サービスを一つの企業が同時に提供することで、それぞれを独立した企業が提供する場合の合計コストよりも低くなる現象を指す。コスト低減の主な源泉は、技術・設備・ブランド・営業力・流通チャネルといった経営資源の共有・転用にある。多角化戦略、特に関連多角化の経済的根拠として重要な概念であり、企業結合やM&Aの動機の一つにもなる。規模の経済が同一製品の生産量拡大によるコスト低減であるのに対し、範囲の経済は製品種類の広がりによるコスト低減である点で概念的に異なる。シナジー効果と類似するが、範囲の経済はコスト側面に焦点を当てた概念である。試験では規模の経済との混同を問うひっかけ問題に注意が必要である。
具体例で考えよう
食品会社が既存の冷凍食品の製造・物流インフラを活用して新たに冷凍スイーツ事業を立ち上げる場合、インフラを共有することで追加コストを抑えられるのが範囲の経済の典型例。
試験対策ポイント
「規模の経済=量」「範囲の経済=種類」と明確に区別する。シナジーとの違い(コスト焦点か相乗効果全般か)も整理。多角化・M&A・アライアンスの文脈で出題されることが多い。