恒常所得仮説
こうじょうしょとくかせつ
ひとことで言うと
消費は恒常所得に依存し、一時的な所得変動は主に貯蓄で吸収されるというフリードマンの仮説。
解説
フリードマンが提唱した消費理論で、消費は恒常所得(長期的な平均所得)に依存し、一時所得の変動は主に貯蓄で調整されるという仮説。短期と長期の消費関数の乖離を説明する。ライフサイクル仮説とともに消費の三大仮説を構成する。
くわしく解説
恒常所得仮説(Permanent Income Hypothesis)とは、フリードマンが提唱した消費理論で、合理的な消費者は一時的な所得変動に左右されず、長期的な平均所得(恒常所得)に基づいて消費水準を決定するという考え方である。突発的な収入増(宝くじ当選・臨時ボーナス)や突発的な所得減(一時的な失業)が起きても、消費はほとんど変化せず、その影響は貯蓄・取り崩しによって吸収されると予測する。この仮説は、短期的には限界消費性向(MPC)が低く見え、長期的には高く見えるという実証的観察(クズネッツのパラドックス)を統一的に説明できる。政策的含意として、一時的な減税(臨時給付金など)は恒常所得を変えないため消費刺激効果が小さく、恒久減税は恒常所得を引き上げるため効果が大きいとされる。ライフサイクル仮説とともに「期待所得に基づく消費理論」として対比される。
具体例で考えよう
政府がコロナ対策として一人10万円の特別給付金を配った際、その多くが消費ではなく貯蓄に回ったことが観察された。これは恒常所得仮説の予測通りで、一時的な所得増は恒常所得を変えないため消費への影響が限定的だった典型例といえる。
試験対策ポイント
一時所得のMPCは低く、恒久的所得変化のMPCは高いという点が最頻出。一時的減税<恒久的減税という政策効果の比較は必出。ライフサイクル仮説との共通点(将来見通しに基づく消費)と相違点を整理すること。