実質利子率
じっしつりしりつ
ひとことで言うと
名目利子率から期待インフレ率を差し引いた利子率で、フィッシャー方程式で表される投資の実質コスト。
解説
名目利子率から期待インフレ率を差し引いた利子率のこと。フィッシャー方程式(実質利子率=名目利子率−期待インフレ率)で表される。投資の意思決定に影響する真のコストとして、実質利子率の理解が重要である。
くわしく解説
実質利子率とは、名目利子率から期待インフレ率を差し引くことで算出される利子率のことであり、実際の購買力ベースでの資金のコストや収益率を示す。フィッシャー方程式(r=i−πe:r=実質利子率、i=名目利子率、πe=期待インフレ率)で定義される。企業が投資の採否を判断する際には、名目利子率ではなく実質利子率が意思決定の基準となる。なぜなら、インフレ率が高い環境では名目利子率が高くても実質的な資金コストは低い場合があるからである。IS-LM分析においては、LM曲線は名目利子率で描かれることが多いが、投資決定は実質利子率に依存するため、期待インフレ率の変化が投資に与える影響を分析する際にフィッシャー方程式が重要な役割を果たす。また、自然失業率仮説やテイラールールなどの金融政策分析においても実質利子率の概念が不可欠である。中央銀行は名目利子率を操作することで実質利子率に影響を与え、投資や消費を調節する。
具体例で考えよう
銀行の預金金利が年率5%でも、インフレ率が3%であれば実質利子率は2%にとどまる。企業が設備投資の判断をする際、名目の借入金利が8%でもインフレ率が6%なら実質コストは2%であり、投資が実行されやすい状況といえる。
試験対策ポイント
フィッシャー方程式「実質利子率=名目利子率-期待インフレ率」は必須暗記。名目利子率は非負だが実質利子率はマイナスになりうる点(流動性のわなとの関連)に注意。IS-LM分析での期待インフレ率変化の影響、自然失業率仮説との連動も問われる。