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自然失業率仮説(フィリップス曲線)

しぜんしつぎょうりつかせつ

ひとことで言うと

長期的にはフィリップス曲線が自然失業率で垂直となり、インフレと失業のトレードオフは長期には成立しないというフリードマンの仮説。

解説

フリードマンが提唱した、長期的にはフィリップス曲線が自然失業率の水準で垂直になるという仮説。短期的には失業率とインフレ率のトレードオフが存在するが、長期的には成立しない。期待インフレ率の調整により長期フィリップス曲線は垂直となる。

くわしく解説

自然失業率仮説とは、フリードマンが提唱した仮説であり、短期的には失業率とインフレ率の間にトレードオフ関係(短期フィリップス曲線)が観察されるが、長期的にはこのトレードオフは消滅し、フィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になるという主張である。そのメカニズムは期待インフレ率の調整を通じて説明される。政府が拡張的な金融政策を行ってインフレ率を高めると、短期的には労働者がインフレに気づかず実質賃金の低下を受け入れるため雇用が増え失業率が低下する(短期フィリップス曲線に沿った移動)。しかし長期的には労働者が期待インフレ率を修正し名目賃金の引き上げを要求するため、実質賃金は元の水準に戻り失業率も自然失業率に戻る。この結果、長期フィリップス曲線は自然失業率で垂直となる。この仮説は1970年代のスタグフレーション(高インフレと高失業の同時発生)によって実証的に支持され、ケインズ的な裁量的財政政策・金融政策の有効性に疑問を呈する議論の根拠となった。

具体例で考えよう

政府が景気刺激のため金融緩和を行い物価が上昇しても、やがて労働者が「インフレで実質賃金が下がった」と気づき賃上げを要求する。この修正により失業率は元の自然失業率に戻り、インフレだけが残る状態になる。

試験対策ポイント

短期フィリップス曲線は右下がり(インフレと失業のトレードオフ)、長期は自然失業率で垂直という図の形が最頻出。期待インフレ率の上昇が短期フィリップス曲線を上方シフトさせる点と、スタグフレーションの説明との連動を確認すること。

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