物価版フィリップス曲線
ぶっかばんふぃりっぷすきょくせん
ひとことで言うと
失業率とインフレ率の関係を表すフィリップス曲線の物価版で、マクロ政策分析の標準的ツール。
解説
失業率と物価上昇率(インフレ率)の関係を示すフィリップス曲線。元のフィリップス曲線が名目賃金上昇率との関係であるのに対し、物価上昇率に置き換えたものである。マクロ経済政策の効果分析で広く用いられる。
くわしく解説
物価版フィリップス曲線は、元来のフィリップス曲線が示した「失業率と名目賃金上昇率の負の相関」を、名目賃金上昇率の代わりに物価上昇率(インフレ率)で置き換えたものである。名目賃金は企業の費用となるため価格に転嫁されやすく、賃金上昇率とインフレ率はほぼ比例して動くという前提のもとで、失業率-インフレ率の負の相関関係を示す曲線として広く使われるようになった。現代のマクロ経済政策の分析では、この物価版フィリップス曲線が標準的に用いられる。短期では右下がりのトレードオフが存在するが、長期ではインフレ期待の調整を通じて垂直になる(自然失業率仮説)という点は元のフィリップス曲線と同様である。試験においては「失業率とインフレ率のトレードオフ」として出題されることが多く、フィリップス曲線と物価版フィリップス曲線は実質的に同一視されて扱われることもある。
具体例で考えよう
中央銀行が金融緩和を実施して需要を喚起すると、短期的に失業率は下がる一方でインフレ率が上昇する。この失業率とインフレ率のトレードオフを表すのが物価版フィリップス曲線である。
試験対策ポイント
元のフィリップス曲線(賃金上昇率)との違いを問う問題に注意。実質的には同じトレードオフ関係を表すが、現代の試験では物価上昇率(インフレ率)との関係として出題されることが多い点を確認すること。