フローアプローチ
ふろーあぷろーち
ひとことで言うと
経常収支(貿易フロー)の需給によって為替レートが決まるとする理論で、長期の為替決定の説明に使われる。
解説
為替レートが経常収支(財・サービスの貿易フロー)により決定されるとする理論。輸出超過の国の通貨は増価し、輸入超過の国の通貨は減価するとする。購買力平価説と関連し、長期的な為替レートの説明に用いられる。
くわしく解説
フローアプローチとは、外国為替市場において為替レートが財・サービスの輸出入(経常収支)に伴う外貨の需要と供給のフローによって決定されるとする理論的枠組みである。輸出が増えると外国からドルが流入して円需要が増加し円高になり、輸入が増えると円売り・ドル買いが増加して円安になるという、直観的に理解しやすい理論である。購買力平価説(PPP)との関連では、貿易財の価格差を通じた裁定取引が為替レートを購買力平価に収束させるという長期的メカニズムと整合する。一方、現代の為替市場では貿易フローよりも資本移動(金融取引)のほうがはるかに規模が大きいため、フローアプローチは短期の為替変動の説明には不十分であるという批判もある。資本収支や金利差に着目するストックアプローチ(アセットアプローチ)と対比して理解することが試験対策上重要である。
具体例で考えよう
日本の輸出が急増して貿易黒字が拡大すると、外国企業が円で代金を支払うため円の需要が増加し、円高が進む。このような貿易フローと為替の関係がフローアプローチの考え方である。
試験対策ポイント
ストックアプローチ(金利差・資本移動で為替決定)との対比が重要。フローアプローチ=経常収支・貿易フローで長期説明、ストックアプローチ=資産選択・金利差で短期説明、という対比を整理すること。