資金の関連コスト
しきんのかんれんこすと
ひとことで言うと
投資の意思決定で考慮される資金調達に伴う費用で、利子率や資本の機会費用が含まれる概念。
解説
投資の意思決定において考慮すべき資金調達に伴う費用のこと。利子率や資本の機会費用が含まれる。新古典派の投資理論やトービンのq理論における投資決定の分析で用いられる概念である。
くわしく解説
資金の関連コストとは、企業が投資を行う際に資金調達に要するコストの総称であり、投資の採算性判断において中心的な役割を果たす。借入による投資の場合は支払利子率がコストとなるが、自己資金を投資に回す場合でも、その資金を金融資産に運用すれば得られたはずの収益(機会費用)を放棄することになる。新古典派の投資理論では、資本の限界生産物と資金の関連コストが等しくなるまで投資が行われると考える。トービンのq理論では、資本の市場価値を資本の再取得費用で割ったq比率が1を超える場合に投資が増加し、q比率に利子率や資本コストが反映される。資金の関連コストが低下すると投資需要が増加し、IS曲線を右方シフトさせる。金融政策の波及経路においても、利子率の低下が資金の関連コストを引き下げることで投資を刺激するメカニズムが重要である。
具体例で考えよう
中小企業が工場拡張のため1億円の投資を検討する際、銀行借入なら年利3%、自己資金なら運用で得られた2%の利回りを断念することになる。この3%や2%が資金の関連コストにあたる。
試験対策ポイント
投資関数において投資と利子率は逆相関関係にあり、資金の関連コスト低下が投資増加につながる。トービンのqとの関係、新古典派の投資理論における資本の限界生産物との等置条件を押さえること。