市場の不安定
しじょうのふあんてい
ひとことで言うと
市場が均衡から乖離した際に均衡に戻らず乖離がさらに拡大する状態で、ワルラスとマーシャルで安定条件が異なる。
解説
市場均衡から乖離した場合に均衡に戻らず、さらに乖離が拡大する状態のこと。供給曲線が右下がりで需要曲線より急な傾きの場合に不安定均衡が生じうる。ワルラス的調整とマーシャル的調整で安定条件が異なることに注意が必要。
くわしく解説
市場の不安定とは、何らかのショックで市場均衡から離れた後、市場メカニズムが働いても元の均衡に戻らず、むしろ均衡からの乖離が拡大していく状態を指す。安定性の分析にはワルラス的調整とマーシャル的調整の2つのアプローチがある。ワルラス的調整では価格の変化を通じて需給が調整される。超過需要があれば価格が上昇し、超過供給があれば価格が下落する。ワルラス的に安定するためには、価格上昇時に超過需要が減少する必要があり、需要曲線が右下がり・供給曲線が右上がりの標準的なケースでは安定する。マーシャル的調整では数量の変化を通じて調整が行われる。均衡取引量より少ない生産量においては需要価格が供給価格を上回り、生産が拡大する。マーシャル的に安定するには需要価格曲線が供給価格曲線を上回る条件が必要である。両者の安定条件が異なる典型例としてクモの巣モデル(農産物市場)があり、試験で問われることが多い。
具体例で考えよう
農産物市場で生産者が今期の価格を見て来期の生産量を決めると、価格と数量が振動し均衡から遠ざかるクモの巣型不安定の状態になることがある。供給曲線の傾きが需要曲線の傾きより急な場合に発散する。
試験対策ポイント
ワルラス安定条件(超過需要曲線が右下がり)とマーシャル安定条件(超過需要が正の領域で生産拡大)を区別して覚えること。クモの巣モデルの収束・発散条件(需要の傾き対供給の傾き)は頻出問題パターン。