支配戦略
しはいせんりゃく
ひとことで言うと
相手の戦略に関わらず自分に最も有利な戦略で、囚人のジレンマでは両者が支配戦略を持つが結果は非効率になる。
解説
相手がどのような戦略を選んでも、自分にとって最も有利な戦略のこと。支配戦略が存在する場合、合理的なプレイヤーはその戦略を選択する。囚人のジレンマでは両プレイヤーに支配戦略が存在するが、結果はパレート最適とならない。
くわしく解説
支配戦略とは、ゲーム理論において相手プレイヤーがどのような戦略を選択しても、自分にとって常に最も高い利得をもたらす戦略のことである。厳密支配戦略は他のすべての戦略より必ず優れており、弱支配戦略は同等以上の利得をもたらす。合理的なプレイヤーは支配戦略が存在する場合、必ずその戦略を選択する。囚人のジレンマはこの概念の最も重要な応用例であり、2人の容疑者がそれぞれ「自白する」と「黙秘する」の選択肢を持つ状況で、両者にとって「自白する」が支配戦略となる。しかし両者が支配戦略に従って自白すると、双方が重い刑罰を受ける結果となり、パレート最適(両者が黙秘するケース)は達成されない。このように、個々の合理的な選択が集合的に非効率な結果をもたらすことを囚人のジレンマは示している。支配戦略均衡はナッシュ均衡の特殊ケースであり、ナッシュ均衡より強い安定性を持つ。環境問題や軍備競争などの社会的ジレンマ状況の分析に広く応用される。
具体例で考えよう
2社が価格競争をする際、相手が価格を下げても上げても、自社は価格を下げた方が利益が大きい場合、「値下げ」が支配戦略となる。結果として両社が値下げし合い、協調すれば得られた利益を双方が失う囚人のジレンマが生じる。
試験対策ポイント
支配戦略はナッシュ均衡の特殊ケース(強い条件)という位置づけを確認。囚人のジレンマで「自白が支配戦略だがパレート最適でない」結論は頻出。利得表から支配戦略を見つける手順(相手の各戦略に対して自分の最適反応を確認)を練習すること。