実質貨幣供給量
じっしつかへいきょうきゅうりょう
ひとことで言うと
名目貨幣供給量を物価水準で割った実質的な貨幣の購買力を示す指標で、LM曲線の分析に不可欠。
解説
名目貨幣供給量を物価水準で割った値(M/P)のこと。実質的な貨幣の購買力を示す。LM曲線の導出やシフト要因の分析において重要であり、物価変動が実質貨幣供給に与える影響を理解する必要がある。
くわしく解説
実質貨幣供給量とは、名目貨幣供給量(M)を物価水準(P)で除した値(M/P)であり、貨幣の実質的な購買力を示す指標である。LM曲線の導出において、貨幣市場の均衡条件は「実質貨幣供給量=実質貨幣需要量」となり、実質貨幣供給量が貨幣市場分析の基本変数となる。実質貨幣供給量が増加すると(名目貨幣供給が増加または物価が下落)、貨幣市場における超過供給が生じ、利子率が低下してLM曲線が右方にシフトする。逆に実質貨幣供給量が減少すると、LM曲線は左方にシフトする。物価水準の上昇は実質貨幣供給量を減少させるため、物価上昇はLM曲線を左方シフトさせるという関係が重要である。中央銀行による金融政策(公開市場操作)は名目貨幣供給量を変化させることで実質貨幣供給量に影響を与え、LM曲線をシフトさせる。ピグー効果においても、物価下落による実質残高(実質貨幣供給量)の増大が消費増加をもたらす経路が重要である。
具体例で考えよう
日本銀行が量的緩和で紙幣の発行量を2倍にすると、物価が一定のまま実質貨幣供給量も2倍になる。これにより資金が市場に溢れ、利子率が低下して企業投資が促進される効果がLM曲線の右シフトで示される。
試験対策ポイント
LM曲線のシフト要因として実質貨幣供給量(M/P)の変化は最重要。名目貨幣供給増加→LM右シフト、物価上昇→実質貨幣供給減少→LM左シフトの方向を確実に整理すること。ピグー効果との関連も問われる。