賃金率
ちんぎんりつ
ひとことで言うと
労働1単位当たりの報酬で、労働市場の分析では名目賃金率と実質賃金率の区別が重要。
解説
労働1単位あたりの報酬のこと。名目賃金率と実質賃金率の区別が重要であり、労働市場の分析では実質賃金率が用いられる。労働需要と労働供給の均衡を決定する変数であり、雇用量の決定に直接関わる。
くわしく解説
賃金率とは、労働サービス1単位(通常は1時間または1日)に対して支払われる報酬の額のことである。名目賃金率は貨幣単位で表したものであり、実質賃金率は名目賃金率を物価水準で割ったもので、実際の購買力を示す。労働市場の分析では、労働需要(企業側)と労働供給(家計側)の均衡を決定する変数として実質賃金率が用いられる。古典派・新古典派の理論では実質賃金率の調整によって市場は完全雇用に自動収束するが、ケインズ理論では名目賃金の下方硬直性により失業が持続するとされる。また、労働の限界生産力(MPL)が実質賃金率と等しくなる水準で企業の労働需要量が決まるという関係も重要である。
具体例で考えよう
ある労働者の時給が1,200円(名目賃金率)であり、昨年比で物価が10%上昇したとする。このとき実質賃金率は実質的に低下していることになり、たとえ名目賃金が上がっていても購買力は下がっているケースがある。
試験対策ポイント
名目賃金率と実質賃金率の違い(実質=名目÷物価水準)を確実に理解すること。古典派の「実質賃金調整による完全雇用」対ケインズ派の「名目賃金の下方硬直性による失業持続」という対比が頻出。労働需要はMPL=実質賃金の条件で決まることも重要。