POSシステム
第4章 販売流通情報システム
POS(販売時点情報管理)システムは、商品が販売された時点で情報を記録・管理する仕組みです。単品管理やPI値の計算など、データに基づく売場管理の基盤となります。
POSの仕組みと活用
簡単にいうと
簡単にいうと、POSは「レジで商品をピッと読み取った瞬間に、何が・いつ・いくつ売れたかを記録するシステム」です。このデータを分析することで、品揃えや発注の最適化に役立てます。
POS(Point of Sale)システムは、商品の販売時点で販売情報を収集・記録し、商品管理や売上分析に活用するシステムです。
POSシステムの主な機能は以下のとおりです。
- 販売登録:バーコードの読取りによる正確な価格入力と売上記録
- 単品管理:SKU(Stock Keeping Unit=在庫管理単位)ごとに販売データを管理
- 売上分析:時間帯別・曜日別・カテゴリー別の売上動向の把握
- 在庫管理:販売データに基づく自動発注や適正在庫の維持
PI値(Purchase Incidence:購買指数)
PI値はレジ通過客1,000人あたりの購買数量を示し、商品の購買力を客数基準で比較できる指標です。売上金額ベースの金額PI値もあります。
PI値は売場面積や店舗規模の異なる店舗間での商品力比較に有用です。
具体例
コンビニでは、POSデータから「おにぎりは午前7-9時に最も売れる」「雨の日はカップ麺の売上が2割増える」といった販売パターンを把握し、時間帯や天候に応じた品揃えと発注量の調整を行っています。
試験のポイント
- ・POSは「販売時点」の情報管理であるという定義を正確に覚えましょう
- ・PI値の計算式(分母はレジ通過客数)を覚え、計算問題に対応しましょう
- ・単品管理のSKU(在庫管理単位)の概念を理解しましょう
ID-POSデータと顧客分析手法
簡単にいうと
簡単にいうと、ポイントカードなどで「誰が何を買ったか」まで追跡できるのがID-POSデータです。このデータを使って顧客をランク分けしたり、優良顧客を特定したりする分析手法が複数あります。
ID-POSデータは、ポイントカードや会員カードによって顧客IDが紐付けられたPOSデータです。通常のPOSデータでは「何が・いつ・いくつ・いくらで」売れたかしか分かりませんが、ID-POSでは「誰が」買ったかまで把握できるため、顧客単位の分析が可能になります。
ID-POSデータを活用した代表的な顧客分析手法は以下の2つです。
デシル分析:顧客を購買金額の多い順に並べ、10等分(デシル=10分の1)してグループ分けする手法です。上位グループがどれだけの売上構成比を占めているかを把握し、優良顧客層への重点施策を検討します。
RFM分析:以下の3つの軸で顧客をスコアリングし、セグメント分けを行います。
| 軸 | 内容 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| R(Recency) | 最新購買日 | 直近に購入しているほど高評価 |
| F(Frequency) | 購買頻度 | 来店回数が多いほど高評価 |
| M(Monetary) | 購買金額 | 累計購買金額が大きいほど高評価 |
3軸とも高い顧客は最優良顧客として手厚いサービスを提供し、Rだけ低い(最近来ていない)顧客は離反防止策を実施するなど、セグメントに応じた施策を展開します。
具体例
デシル分析で上位2割の顧客が売上の約8割を占めていることが判明した場合、パレートの法則(80:20の法則)が当てはまっていることになり、上位顧客への特別サービスが利益貢献度の面で効果的です。
試験のポイント
- ・ID-POSとPOSの違い(「誰が」分かるかどうか)を明確に理解しましょう
- ・デシル分析は「10等分」という意味を覚えましょう
- ・RFM分析の3軸(Recency/Frequency/Monetary)の意味と評価方法を正確に押さえましょう
バスケット分析(併買分析)
簡単にいうと
簡単にいうと、「ビールを買った人はおつまみも一緒に買いやすい」というような、商品同士の買い合わせパターンを発見する分析手法です。支持度・信頼度・リフト値の3指標で併買関係の強さを測ります。
バスケット分析(併買分析)は、同一の買い物かご(バスケット)に入る商品の組み合わせパターンを発見する分析手法です。クロスマーチャンダイジングやレコメンデーションの根拠として活用されます。
主要な3つの指標は以下のとおりです。
支持度(サポート):全顧客のうち特定商品を購入した人の割合
信頼度(コンフィデンス):商品Aを購入した人のうち、商品Bも購入した人の割合
リフト値:AとBの併買関係が偶然を超えてどれだけ強いかを示す指標
リフト値が1より大きいほどAとBの併買関係が強く、1の場合は独立(偶然と同程度)、1未満は負の相関を意味します。
【計算例】全顧客1,000人、パン購入者400人、ジャム購入者100人、パン&ジャム同時購入者80人の場合:
- 支持度(パン)= 400÷1000 = 40%
- 支持度(ジャム)= 100÷1000 = 10%
- 信頼度(パン→ジャム)= 80÷400 = 20%
- リフト値 = 20%÷10% = 2.0(パンを買う人はジャムも買いやすい)
具体例
あるドラッグストアでバスケット分析を行ったところ、風邪薬を購入した顧客のうち60%がスポーツドリンクも同時購入していました(信頼度60%)。スポーツドリンク全体の支持度が15%であるため、リフト値は4.0となり、非常に強い併買関係が確認できます。
試験のポイント
- ・支持度・信頼度・リフト値の3指標の計算式を正確に覚えましょう
- ・リフト値は「1より大きいほど併買関係が強い」という判定基準が重要です
- ・計算問題で出題されるため、具体的な数値を使った演習が必須です
CRMと顧客生涯価値(LTV)
簡単にいうと
簡単にいうと、CRMは「一度きりのお客さん」ではなく「長くお付き合いするお客さん」を増やすための仕組みです。一人のお客さんが生涯にわたって自社にもたらす利益の総額がLTVです。
CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)は、顧客との長期的な信頼関係を構築・維持し、顧客満足度とロイヤルティを高めることで収益を最大化する経営手法です。
CRMで活用される顧客データは大きく3種類に分類されます。
| データ種別 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| デモグラフィックデータ(属性データ) | 顧客の人口統計的な特徴 | 年齢・性別・職業・年収・家族構成 |
| ジオグラフィックデータ(地理データ) | 顧客の地理的な情報 | 居住地・通勤経路・商圏内の位置 |
| サイコグラフィックデータ(心理データ) | 顧客のライフスタイルや価値観 | 趣味・嗜好・購買動機・ブランド志向 |
LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)は、一人の顧客が取引期間全体を通じて自社にもたらす利益の総額です。
LTVを最大化する方法は以下の4つのアプローチに整理できます。
1. 購買頻度の向上:来店促進策やリピート施策の実施
2. 客単価の向上:アップセル・クロスセルの提案
3. 継続期間の延長:離反防止策やロイヤルティプログラムの充実
4. 獲得コストの削減:口コミ促進や紹介制度の活用
具体例
月額5,000円の化粧品を粗利率40%で毎月購入し、5年間継続する顧客のLTVは、5000×0.4×12×5=12万円です。そこから獲得コスト1万円を差し引くと11万円が正味のLTVとなります。
試験のポイント
- ・顧客データの3分類(デモグラフィック/ジオグラフィック/サイコグラフィック)を正確に区別しましょう
- ・LTVの計算式の各要素を覚え、計算問題に対応できるようにしましょう
- ・LTV最大化の4つのアプローチを整理して理解しましょう
ID-POSデータと顧客分析手法
簡単にいうと
簡単にいうと、ポイントカードなどで「誰が何を買ったか」まで追跡できるのがID-POSデータです。このデータを使って顧客をランク分けしたり、優良顧客を特定したりする分析手法が複数あります。
ID-POSデータは、ポイントカードや会員カードによって顧客IDが紐付けられたPOSデータです。通常のPOSデータでは「何が・いつ・いくつ・いくらで」売れたかしか分かりませんが、ID-POSでは「誰が」買ったかまで把握できるため、顧客単位の分析が可能になります。
ID-POSデータを活用した代表的な顧客分析手法は以下の2つです。
デシル分析:顧客を購買金額の多い順に並べ、10等分(デシル=10分の1)してグループ分けする手法です。上位グループがどれだけの売上構成比を占めているかを把握し、優良顧客層への重点施策を検討します。
RFM分析:以下の3つの軸で顧客をスコアリングし、セグメント分けを行います。
| 軸 | 内容 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| R(Recency) | 最新購買日 | 直近に購入しているほど高評価 |
| F(Frequency) | 購買頻度 | 来店回数が多いほど高評価 |
| M(Monetary) | 購買金額 | 累計購買金額が大きいほど高評価 |
3軸とも高い顧客は最優良顧客として手厚いサービスを提供し、Rだけ低い(最近来ていない)顧客は離反防止策を実施するなど、セグメントに応じた施策を展開します。
具体例
デシル分析で上位2割の顧客が売上の約8割を占めていることが判明した場合、パレートの法則(80:20の法則)が当てはまっていることになり、上位顧客への特別サービスが利益貢献度の面で効果的です。
試験のポイント
- ・ID-POSとPOSの違い(「誰が」分かるかどうか)を明確に理解しましょう
- ・デシル分析は「10等分」という意味を覚えましょう
- ・RFM分析の3軸(Recency/Frequency/Monetary)の意味と評価方法を正確に押さえましょう
バスケット分析(併買分析)
簡単にいうと
簡単にいうと、「ビールを買った人はおつまみも一緒に買いやすい」というような、商品同士の買い合わせパターンを発見する分析手法です。支持度・信頼度・リフト値の3指標で併買関係の強さを測ります。
バスケット分析(併買分析)は、同一の買い物かご(バスケット)に入る商品の組み合わせパターンを発見する分析手法です。クロスマーチャンダイジングやレコメンデーションの根拠として活用されます。
主要な3つの指標は以下のとおりです。
支持度(サポート):全顧客のうち特定商品を購入した人の割合
信頼度(コンフィデンス):商品Aを購入した人のうち、商品Bも購入した人の割合
リフト値:AとBの併買関係が偶然を超えてどれだけ強いかを示す指標
リフト値が1より大きいほどAとBの併買関係が強く、1の場合は独立(偶然と同程度)、1未満は負の相関を意味します。
【計算例】全顧客1,000人、パン購入者400人、ジャム購入者100人、パン&ジャム同時購入者80人の場合:
- 支持度(パン)= 400÷1000 = 40%
- 支持度(ジャム)= 100÷1000 = 10%
- 信頼度(パン→ジャム)= 80÷400 = 20%
- リフト値 = 20%÷10% = 2.0(パンを買う人はジャムも買いやすい)
具体例
あるドラッグストアでバスケット分析を行ったところ、風邪薬を購入した顧客のうち60%がスポーツドリンクも同時購入していました(信頼度60%)。スポーツドリンク全体の支持度が15%であるため、リフト値は4.0となり、非常に強い併買関係が確認できます。
バスケット分析(併買分析)の3指標
試験のポイント
- ・支持度・信頼度・リフト値の3指標の計算式を正確に覚えましょう
- ・リフト値は「1より大きいほど併買関係が強い」という判定基準が重要です
- ・計算問題で出題されるため、具体的な数値を使った演習が必須です
CRMと顧客生涯価値(LTV)
簡単にいうと
簡単にいうと、CRMは「一度きりのお客さん」ではなく「長くお付き合いするお客さん」を増やすための仕組みです。一人のお客さんが生涯にわたって自社にもたらす利益の総額がLTVです。
CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)は、顧客との長期的な信頼関係を構築・維持し、顧客満足度とロイヤルティを高めることで収益を最大化する経営手法です。
CRMで活用される顧客データは大きく3種類に分類されます。
| データ種別 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| デモグラフィックデータ(属性データ) | 顧客の人口統計的な特徴 | 年齢・性別・職業・年収・家族構成 |
| ジオグラフィックデータ(地理データ) | 顧客の地理的な情報 | 居住地・通勤経路・商圏内の位置 |
| サイコグラフィックデータ(心理データ) | 顧客のライフスタイルや価値観 | 趣味・嗜好・購買動機・ブランド志向 |
LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)は、一人の顧客が取引期間全体を通じて自社にもたらす利益の総額です。
LTVを最大化する方法は以下の4つのアプローチに整理できます。
1. 購買頻度の向上:来店促進策やリピート施策の実施
2. 客単価の向上:アップセル・クロスセルの提案
3. 継続期間の延長:離反防止策やロイヤルティプログラムの充実
4. 獲得コストの削減:口コミ促進や紹介制度の活用
具体例
月額5,000円の化粧品を粗利率40%で毎月購入し、5年間継続する顧客のLTVは、5000×0.4×12×5=12万円です。そこから獲得コスト1万円を差し引くと11万円が正味のLTVとなります。
試験のポイント
- ・顧客データの3分類(デモグラフィック/ジオグラフィック/サイコグラフィック)を正確に区別しましょう
- ・LTVの計算式の各要素を覚え、計算問題に対応できるようにしましょう
- ・LTV最大化の4つのアプローチを整理して理解しましょう
まとめ
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