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マーケティングのコンセプト

マーケティングの基礎概念

マーケティングという言葉がアメリカで誕生してから約1世紀が経過しています。マーケティングとは何か——一般には販売活動やプロモーション活動などモノを販売するための具体的な活動と考えられがちですが、本来のマーケティングはより広い意味をもった概念です。ここでは、マーケティングコンセプトの変遷とソーシャル・マーケティングについて学びましょう。

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マーケティングコンセプトの変遷

簡単にいうと

マーケティングの考え方は時代とともに大きく変わってきました。「製品中心」から「価値主導」へ、5段階の進化を追いかけます。

マーケティングコンセプトとは「企業の市場に対する考え方」と表現できます。企業経営にあたって必要とされる市場に対する考え方であり、企業が市場に対してどのように考え戦略を展開するかは時代ごとに異なります。

フィリップ・コトラーはマーケティングコンセプトを5段階に整理しています。マーケティング1.0は「製品中心」のマーケティングで、大量生産・大量消費の時代に生産した製品をすべての潜在的消費者に売り込むことを目指すものです。マーケティング2.0は「消費者志向」のマーケティングで、消費者が十分な情報を持ち製品の比較が容易にできる時代に、消費者のニーズに応える製品を開発する必要が出てきました。

マーケティング3.0は「価値主導」のマーケティングで、消費者を単に消費する存在としてではなく、よりよい世界を求める想いを有した存在としてとらえます。マーケティング4.0は、ソーシャルメディアの普及による横のつながりの強化を踏まえ、企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるアプローチです。マーケティング5.0は、AIや拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoTなどのネクスト・テクノロジーを活用して、カスタマー・ジャーニー全体で価値を提供するものです。

具体例

かつては「良い製品を作れば売れる」(1.0)時代でしたが、現代では顧客との共創やデジタル技術の活用(4.0・5.0)が不可欠になっています。

段階
キーワード
中心的な考え方
1.0
製品中心
大量生産した製品を売り込む
2.0
消費者志向
消費者ニーズに合った製品を開発
3.0
価値主導
社会的・環境的価値を重視
4.0
オンライン+オフライン
デジタルとリアルの融合
5.0
ネクストテクノロジー
AI・AR・VR・IoT等で価値創造

試験のポイント

  • コトラーのマーケティング1.0〜5.0の各段階のキーワード(1.0=製品中心、2.0=消費者志向、3.0=価値主導、4.0=オンラインとオフラインの融合、5.0=ネクストテクノロジー活用)は頻出です
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ソーシャル・マーケティング

簡単にいうと

マーケティングは営利企業だけのものではありません。社会との関わりを重視する考え方を学びましょう。

マーケティング3.0以降で提唱されているように、マーケティングは営利目的だけで実施するのではなく、社会とのかかわりをふまえて実施するものです。このようなマーケティングと社会とのかかわりを扱うものが、広義のソーシャル・マーケティングです。

具体的には、非営利組織のマーケティング(政府機関・学校・病院・美術館などの事業目標達成にマーケティング手法を適用)、アイデア・社会的主張を対象とするマーケティング(環境保護運動やエイズ予防などの社会変革キャンペーン)、ソサイエタル・マーケティング(企業のマーケティング活動が社会に悪い影響を与えないよう社会的利益を考慮するマーケティング活動)があります。

ソサイエタル・マーケティングに関連する用語として、コーズリレーテッド・マーケティング(製品の売上の一部を社会貢献事業に寄付するマーケティング活動で、事業収益と関連づけるのが特徴)やサステナブル・マーケティング(消費者・企業双方の長期的なニーズを満たすもの)があります。ソサイエタル・マーケティングは現在の企業のニーズと将来の消費者のニーズを満たしていくことに主眼を置き、サステナブル・マーケティングとは異なります。

具体例

ある飲料メーカーが「この商品1本の購入につき1円を植林活動に寄付します」というキャンペーンを実施する場合、これはコーズリレーテッド・マーケティングの一例です。

試験のポイント

  • ソサイエタル・マーケティングとサステナブル・マーケティングは同義ではないという点は頻出の引っかけです
  • コーズリレーテッド・マーケティングは「事業収益と関連づける」点が通常の寄付行為との違いです
  • 非営利組織のマーケティングはソサイエタル・マーケティングの一部ではなく別の概念です
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マーケティング志向の分類

簡単にいうと

企業のニーズと消費者のニーズ、それぞれの「現在」と「将来」を軸に、4つのマーケティング志向を整理します。

マーケティング志向は、企業のニーズ(現在・将来)と消費者のニーズ(現在・将来)の2軸で4つに分類できます。

企業のニーズが現在×消費者のニーズが現在の場合は「マーケティング志向」、企業のニーズが将来×消費者のニーズが現在の場合は「戦略計画志向」、企業のニーズが現在×消費者のニーズが将来の場合は「ソサイエタル・マーケティング志向」、企業のニーズが将来×消費者のニーズが将来の場合は「サステナブル・マーケティング志向」となります。

このように、ソサイエタル・マーケティングとサステナブル・マーケティングでは、カバーするニーズの時間軸が異なります。ソサイエタル・マーケティングは現在の企業ニーズと将来の消費者ニーズ、サステナブル・マーケティングは双方の将来のニーズに焦点を当てています。

具体例

環境に配慮した製品を現在の利益を確保しつつ開発するのがソサイエタル・マーケティング志向、企業と消費者の双方にとって長期的に持続可能なビジネスモデルを構築するのがサステナブル・マーケティング志向です。

消費者ニーズ:現在
消費者ニーズ:将来
企業ニーズ:現在
マーケティング志向
ソサイエタル・マーケティング志向
企業ニーズ:将来
戦略計画志向
サステナブル・マーケティング志向

試験のポイント

  • 4つの志向の2×2マトリクス(企業ニーズの現在/将来 × 消費者ニーズの現在/将来)は出題されやすいです
  • ソサイエタルとサステナブルの違いを正確に区別しましょう

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