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ブランドエクイティとブランド戦略

製品戦略

ブランドエクイティ(ブランド資産価値)を高め、効果的なブランド戦略を展開する方法を学びます。コトラーの4つのブランド戦略も押さえましょう。

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ブランドエクイティとブランド要素

簡単にいうと

ブランドには資産価値があります。アーカーが提唱した5つの構成要素と、ロイヤルティの4分類を押さえましょう!

ブランド要素(ブランドエレメント)とは、ブランド化の手段としての言語的・視覚的な情報コードです。具体的にはブランドネーム、ロゴ、キャラクター、スローガン、ジングル、パッケージなどがあります。

ブランドエクイティとは、ブランドがそれ自体が資産価値を有しているということ、つまりブランドの持つ資産価値のことです。D.A.アーカーが提唱したモデルでは、ブランドエクイティを高める要素として以下の5つが挙げられています。

構成要素内容
ブランド知名度消費者がそのブランドを認知・想起できる度合い
ブランドロイヤルティ消費者がそのブランドに対して抱く忠誠心や愛着の程度
知覚品質消費者個々人が持つ異なる優先順位や選好を通じて総合的に判断される、顧客の知覚に基づく品質のこと。客観的な品質そのものではなく、あくまで消費者が主観的に感じ取る品質水準を指す
ブランド連想あるブランドを示されたときに消費者が思い浮かべるあらゆる事柄(製品カテゴリー、品質感、使用場面、産地、キャラクターなど)のこと。たとえば「リーバイス」と聞くとジーンズ、アメリカ、501などが連想される。ブランド名と結びつく事柄の連想が豊かで強固なほど、ブランド価値は高まる
その他の独自資産特許権、商標権、チャネル関係など法的・制度的に保護された資産

ブランドロイヤルティは行動的ロイヤルティ(再購買率で測定)と心理的ロイヤルティ(態度に関わる忠誠心)の2軸で4つに分類されます。なお、行動的ロイヤルティが高ければ心理的ロイヤルティも必ず高いとは限りません。

分類行動的ロイヤルティ心理的ロイヤルティ特徴
真のロイヤルティ高い高いブランドへの愛着があり繰り返し購買する理想的状態
見せかけのロイヤルティ高い低い惰性や利便性で購買しているだけで、心理的な愛着は薄い
潜在的ロイヤルティ低い高い好意はあるが購入機会や入手性の制約で購買に至らない
ロイヤルティなし低い低いブランドへの関心も購買行動もない状態

具体例

スターバックスに毎日通う人が「他のカフェでもいいけど近いから」という理由なら見せかけのロイヤルティ、「スタバが本当に好き」なら真のロイヤルティです。

試験のポイント

  • ブランドエクイティの5つの構成要素(知名度・ロイヤルティ・知覚品質・ブランド連想・その他資産)は頻出です
  • 特に知覚品質は「顧客の知覚に基づく総合的な品質」であり、客観的品質とは異なる点が問われます
  • ブランド連想はブランド名と結びつく事柄すべてを指し、結びつきが強いほどブランド価値が高いことを理解しましょう
  • 顧客ロイヤルティの4分類では「行動的に高い=心理的にも高い」とは限らない点がひっかけで出題されます
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コトラーの4つのブランド戦略

簡単にいうと

新製品を市場に出すときのブランド戦略4パターンを押さえましょう!マルチブランドの2つの効果は要チェックです。

P.コトラーとG.アームストロングが示したブランド戦略は、新たな製品を市場に投入する際に、既存のブランド名を使うか新しい名前にするか、また既存カテゴリーか新規カテゴリーかで4つに分類されます。

既存の製品カテゴリー新規の製品カテゴリー
既存ブランド名ライン拡張ブランド拡張
新規ブランド名マルチブランド新ブランド

1. ライン拡張

既に成功したブランド名を使い、同じ製品カテゴリー内で風味・形状・色・原材料・容器サイズなどを変えた新商品を追加する戦略です。(例:マクドナルド、メリット(花王))

2. ブランド拡張(ブランド・エクステンション)

既に成功したブランド名を活用して、新しい製品カテゴリーに新製品や改良製品を投入する戦略です。同一カテゴリー内の拡張ではなく、別カテゴリーへの展開である点に注意が必要です。(例:ホンダが自動車・オートバイ・船舶エンジンに展開)

3. マルチブランド

新しいブランド名を既存製品と同一カテゴリーの新製品に付ける戦略です。マルチブランドには2つの効果があります。

  • 陳列スペース確保効果: メーカーが小売店の店頭で複数のブランドを置くことで、より多くの棚スペースを確保できる
  • ブランドスイッチ囲い込み効果: ブランドを切り替えたい消費者を自社内にとどめることが可能になり、他社への流出を防げる

主力ブランドを守りつつ脇を固める目的や、地域別・国別にブランドを使い分けたい場合にも用いられます。(例:ネスレ日本(ペリエ、ヴィッテル)、LVMH(ルイ・ヴィトン、セリーヌ、クリスチャン・ディオール))

4. 新ブランド

既存のブランド名がふさわしくない新しい製品カテゴリーに参入する場合、新たなブランド名を創出する戦略です。買収によって新カテゴリーの新ブランド名を獲得するケースも含まれます。(例:マースジャパン(ペディグリーチャム、カルカン、スニッカーズ))

具体例

ホンダが「Honda」ブランドで自動車からオートバイ、船舶エンジンまで展開するのはブランド拡張の例です。ネスレ日本がペリエ、ヴィッテル等を展開するのはマルチブランドの例です。

コトラーの4つのブランド戦略を示す2x2マトリックス図。横軸が製品カテゴリー(既存/新規)、縦軸がブランド名(既存/新規)で、4象限にライン拡張・ブランド拡張・マルチブランド・新ブランドが配置されている。

コトラーの4つのブランド戦略

試験のポイント

  • コトラーの4つのブランド戦略では、ブランド拡張が「同一カテゴリー内」ではなく「他の製品カテゴリーへの活用」である点がひっかけとして頻出です
  • マルチブランドの2つの効果(陳列スペース確保・ブランドスイッチの囲い込み)も問われます
  • また、この4戦略はいずれも「新たな製品の市場投入」に関する枠組みである点を意識しましょう
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既存製品におけるブランドの基本戦略

簡単にいうと

既存製品のブランドをどうするかの4パターンです。コトラーの4戦略(新製品用)との違いに注意しましょう!

コトラーの4つのブランド戦略が「新たな製品を市場に投入する際」の枠組みであるのに対し、ブランドの基本戦略は「既存製品」をどう扱うかの枠組みです。市場(既存か新規か)とブランド(既存か新規か)の2軸で4つに分類されます。

既存ブランド新規ブランド
既存市場ブランド強化ブランド変更
新規市場ブランド・リポジショニングブランド開発

1. ブランド強化

対象市場もブランドも変更しない戦略であり、従来の戦略を強化・延長するものです。最もリスクの少ない堅実なアプローチですが、市場への浸透が不十分だったり競争が激化した場面でとられることがあります。

2. ブランド・リポジショニング

既存のブランドのまま新しい市場を狙う戦略です。対象市場を思い切って新しいセグメントへ変更することで、売上高の増加を図ります。

3. ブランド変更

同じ市場をターゲットとし続けるが、ブランドを新規のものに変更する戦略です。長く使ってきたブランドを廃止し、消費者に新しいブランドで鮮度を訴えるなどの効果が期待できます。ただし、過去から築いてきた知名度やロイヤルユーザーを手放しゼロからの再出発となるため、かなりのリスクを伴う戦略でもあります。

4. ブランド開発

新しいブランドで新しい市場を狙う戦略です。経験のない市場へ未知のブランドで進出するため、最もリスクが高い典型的なハイリスク・ハイリターン型の戦略です。

具体例

老舗洋菓子店が従来のブランドのまま既存顧客への販促を強化するのはブランド強化、同じブランドで若年層の新市場を開拓するのはブランド・リポジショニングの例です。

試験のポイント

  • ブランドの基本戦略4分類はコトラーの4つのブランド戦略(新製品投入の枠組み)とは別物であり、こちらは既存製品の戦略である点を明確に区別しましょう
  • ブランド変更はリスクが高い戦略であり「積極的に行うべき」とは言えない点がひっかけで出題されています
  • ブランド開発が最もハイリスク・ハイリターンである点も重要です

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