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余剰分析

市場均衡と厚生分析

この節では市場均衡の効率性を評価するための余剰分析を学びます。消費者余剰・生産者余剰の概念を理解し、社会的総余剰の最大化が完全競争均衡で実現されることを確認します。さらに、課税や補助金が余剰にどのような影響を与え、死荷重が発生するメカニズムを分析します。

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消費者余剰

簡単にいうと

消費者余剰は「払ってもいいと思っていた金額」と「実際に払った金額」の差!得した気分を数字にしたものだよ!

消費者余剰とは、消費者が支払ってもよいと考える金額(支払い意思額、需要曲線の高さ)と実際の支払額(市場均衡価格)との差額の合計です。グラフ上では需要曲線の下側、市場均衡価格の上側の三角形の面積で表されます。

消費者余剰=支払い意思額の総和−実際の支払額=需要曲線と価格線の間の面積

消費者余剰の大きさは消費者の厚生(便益)を測る指標となります。

具体例

需要曲線D上で、消費者がある財に最大300万、250万、200万と支払意思がある場合、均衡価格200万で3台消費されると、

消費者余剰=(300-200)+(250-200)+(200-200)=150万円

これは需要曲線と価格線の間の三角形の面積に等しくなります。

需要曲線と供給曲線の交点で均衡が成立し、需要曲線の下・価格線の上が消費者余剰(青)、価格線の下・供給曲線の上が生産者余剰(赤)として図示

消費者余剰と生産者余剰

試験のポイント

  • 要は「払ってもいい額−実際に払った額=消費者の得した分」を三角形の面積で求めるだけ
  • 消費者余剰=需要曲線の下・価格線の上の面積
  • 三角形の面積で計算できることを使って数値計算する問題が頻出
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生産者余剰

簡単にいうと

生産者余剰は「実際にもらえた金額」と「最低限受け取りたかった金額」の差!売って儲かった分だよ!

生産者余剰とは、企業が実際に受け取る収入と、その生産に最低限必要な金額(可変費用、供給曲線=MC曲線の高さ)との差額です。グラフ上では市場均衡価格の下側、供給曲線の上側の三角形の面積で表されます。

生産者余剰=収入−可変費用=価格線と供給曲線の間の面積

短期の完全競争市場では供給曲線=限界費用曲線(MC)なので、生産者余剰=収入−可変費用=利潤+固定費用となります。

具体例

供給曲線(MC曲線)上で、1台目50万、2台目100万、3台目150万のコストがかかり、均衡価格200万で3台供給すると、

生産者余剰=(200-50)+(200-100)+(200-150)=300万円

これは価格線と供給曲線の間の面積に等しくなります。

試験のポイント

  • 要は「もらった額−最低限の生産コスト=生産者の儲けた分」を三角形の面積で求める
  • 生産者余剰=価格線の下・供給曲線の上の面積
  • 供給曲線=MC曲線であり生産者余剰=収入−可変費用の関係を理解する
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社会的総余剰

簡単にいうと

消費者余剰と生産者余剰を足したのが社会的総余剰!市場全体のハッピー度を測るんだよ!

社会的総余剰(経済余剰)=消費者余剰+生産者余剰。完全競争市場の均衡では社会的総余剰が最大化されます。これがパレート効率的な資源配分と対応します。政府介入(課税・規制など)がない完全競争均衡が最も効率的です。

具体例

D=100-2P, S=-20+4P で均衡P*=20, Q*=60のとき、

消費者余剰=△(P切片50, P*=20, Q*=60)=1/2×60×30=900

生産者余剰=△(P切片5, P*=20, Q*=60)=1/2×60×15=450

社会的総余剰=900+450=1350

試験のポイント

  • 要は「消費者余剰+生産者余剰=社会全体の余剰」で、完全競争均衡でこれが最大になる
  • 三角形の面積計算を正確にできるようにする
  • D曲線のP切片、S曲線のP切片の読み取りがポイント
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課税・補助金と余剰分析

簡単にいうと

税金をかけると死荷重(ムダな損失)が生まれちゃう!補助金をあげても別のムダが出るの!

従量税(1単位あたりt円の課税)が課されると、供給曲線がt分だけ上方シフトします。課税後の均衡では取引量が減少し、消費者の支払い価格PC>PP_C > P^*、生産者の受取価格PS<PP_S < P^*となります。

税の転嫁: 課税対象は企業だが、市場価格上昇により消費者も負担します。消費者の税負担=PCPP_C - P^*、生産者の税負担=PPSP^* - P_S

政府余剰(税収)=t×Q1t \times Q_1

社会的総余剰=消費者余剰+生産者余剰+政府余剰。

課税による死荷重(厚生損失)=課税前の総余剰−課税後の総余剰。

補助金: 供給曲線がt分だけ下方シフト。取引量増加、政府支出が発生、補助金のマイナスの余剰=t×Q1-t \times Q_1。補助金にも死荷重が発生します。

具体例

課税前の均衡(P,Q)(P^*, Q^*)に1単位あたりt円の従量税を課すと、供給曲線がt上方シフト→新均衡点で取引量Q1(<Q)Q_1 (< Q^*)に減少します。

死荷重=三角形の面積=12×(QQ1)×t\frac{1}{2} \times (Q^* - Q_1) \times t

需要曲線・供給曲線の弾力性により消費者負担と生産者負担の割合が決まります。

従量税により供給曲線が上方シフトし、消費者余剰・生産者余剰が縮小、税収が長方形、死荷重が三角形として図示。消費者負担と生産者負担も表示

課税の余剰分析と死荷重

試験のポイント

  • 要は「課税→取引減少→三角形の死荷重(社会的損失)が発生する」のが核心
  • 課税後の余剰分析は頻出の計算問題
  • 消費者負担・生産者負担の計算と死荷重の三角形の面積計算をマスターする
  • 補助金の場合は供給曲線が下方シフトし、政府余剰がマイナスになる点に注意
  • 税の転嫁(弾力性の低い方がより多く負担)も重要

まとめ

概念
定義
グラフ上の面積
消費者余剰
支払意思額−実際の支払額
D曲線の下・価格線の上
生産者余剰
収入−可変費用
価格線の下・S曲線の上
社会的総余剰
消費者余剰+生産者余剰
D曲線とS曲線の間(均衡まで)
政府余剰(税収)
t×Q1t \times Q_1
長方形
死荷重
課税前総余剰−課税後総余剰
三角形

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