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テキスト/経済学・経済政策/需要の所得弾力性

需要の所得弾力性

消費者行動の分析

この節では、消費者の所得が変化したときに各財の需要量がどのように変わるかを分析します。所得の変化に伴う最適消費点の軌跡を所得消費曲線といい、需要量の変化の度合いを定量化したものが需要の所得弾力性です。この弾力性の値によって財は上級財・下級財に分類されます。

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所得消費曲線

簡単にいうと

お給料が増えたら何をたくさん買うようになる?所得が変わったときの最適消費点の動きが「所得消費曲線」だよ!

所得消費曲線(income consumption curve)とは、価格を一定に保ったまま所得だけが変化したときに最適消費点がたどる軌跡です。

所得が増加すると予算制約線は傾き一定のまま外側に平行移動します。各所得水準での最適消費点を結んだ曲線が所得消費曲線です。

所得消費曲線の形状によって、その財が上級財(正常財)か下級財(劣等財)かを判別できます。

  • 所得の増加に伴い消費量が増加する財 → 上級財
  • 所得の増加に伴い消費量が減少する財 → 下級財

さらに上級財は、需要量の増加率と所得の増加率の大小関係で奢侈品必需品に分類されます。

  • 需要量の増加率 > 所得の増加率 → 奢侈品(贅沢品)
  • 需要量の増加率 < 所得の増加率 → 必需品

具体例

所得消費曲線上で、所得が増加したとき

  • X財の消費量が一貫して増加 → X財は上級財
  • Y財の消費量が途中から減少に転じる → Y財は(その区間では)下級財

例えば、所得が低いときはカップラーメンをたくさん買うが、所得が上がるとレストランの食事に置き換わり、カップラーメンの消費量が減少する場合、カップラーメンは下級財です。

上段:所得増加による予算制約線の平行移動と最適消費点A,B,Cの軌跡(所得消費曲線)。下段:所得とX財需要量の関係を示すエンゲル曲線

所得消費曲線とエンゲル曲線

試験のポイント

  • 要は「所得が増えたときに消費が増える財=上級財、減る財=下級財」というだけ
  • 所得消費曲線の形状から上級財・下級財を判別する問題が頻出
  • グラフの横軸(X財)方向と縦軸(Y財)方向の消費量変化を別々に読み取ること
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需要の所得弾力性

簡単にいうと

所得弾力性は「お給料1%増えたら需要が何%増えるか」を数字にしたもの!プラスなら上級財、マイナスなら下級財だよ!

需要の所得弾力性 η\eta は、所得が1%変化したときに需要量が何%変化するかを示す指標です。

η=ΔD/DΔm/m=ΔDΔm×mD\eta = \frac{\Delta D / D}{\Delta m / m} = \frac{\Delta D}{\Delta m} \times \frac{m}{D}

所得弾力性の値による財の分類:

η\eta の値財の分類
η>1\eta > 1上級財(奢侈品)
0<η<10 < \eta < 1上級財(必需品)
η<0\eta < 0下級財

具体例

所得が200万円から250万円に増加(25%増)したとき、

  • ブランド品の需要: 10個 → 15個(50%増)→ η=50%25%=2\eta = \frac{50\%}{25\%} = 2(奢侈品)
  • 食料品の需要: 100個 → 110個(10%増)→ η=10%25%=0.4\eta = \frac{10\%}{25\%} = 0.4(必需品)
  • カップ麺の需要: 30個 → 24個(20%減)→ η=20%25%=0.8\eta = \frac{-20\%}{25\%} = -0.8(下級財)

試験のポイント

  • 要は「所得1%増で需要が何%増えるか」の数字で、プラスなら上級財、マイナスなら下級財
  • 所得弾力性の符号と大きさで上級財(奢侈品/必需品)・下級財を正確に分類できるようにする
  • 計算問題での変化率の計算ミスに注意
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エンゲル曲線

簡単にいうと

エンゲル曲線は所得と消費量の関係を直接示すグラフ!上級財なら右上がり、下級財なら右下がりになるの!

エンゲル曲線とは、横軸に所得、縦軸にある財の需要量をとり、所得と需要量の関係を表した曲線です。所得消費曲線から導出されます。

上級財のエンゲル曲線は右上がり(所得増→需要増)、下級財のエンゲル曲線は右下がり(所得増→需要減)です。

奢侈品は所得増加より需要増加の方が大きいため、エンゲル曲線の傾きは比較的急になります。

具体例

上級財(外食): 所得100万→需要50、所得200万→需要120 → エンゲル曲線は右上がりで η>1\eta > 1

必需品(米): 所得100万→需要60kg、所得200万→需要70kg → エンゲル曲線は右上がりだが緩やかで 0<η<10 < \eta < 1

試験のポイント

  • 要は「所得と消費量の関係をそのままグラフにしたもの」で、右上がり=上級財、右下がり=下級財
  • エンゲル曲線の形状と所得弾力性の対応を整理する
  • 特に上級財から下級財に転じる財では、エンゲル曲線が途中で折れ曲がる

まとめ

概念
条件
ポイント
上級財(奢侈品)
η>1\eta > 1
所得増加率以上に需要が増加
上級財(必需品)
0<η<10 < \eta < 1
所得増加に比べ需要増加は小さい
下級財
η<0\eta < 0
所得増加で需要が減少
所得消費曲線
所得変化時の最適消費点の軌跡
財の分類の根拠
エンゲル曲線
所得と需要量の関係を示す曲線
上級財→右上がり、下級財→右下がり

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