企業の規模間移動・開廃業・休廃業
第2章 中小企業白書2024年版第1部 令和5年度(2023年度)の中小企業の動向
中小企業の新陳代謝を示す「開廃業率」と「休廃業・解散」の状況を確認します。開業率は2018年度以降再び低下傾向にあり、廃業企業には小規模事業者が比較的多く存在します。規模間移動では、中規模から小規模への縮小が多い傾向があります。
存続企業の規模間移動と開廃業率の推移
簡単にいうと
規模縮小は「中規模→小規模事業者」が多い。開業率は2018年度以降再び低下傾向→2022年度は3.9%、廃業率は3.3%。
企業の規模間移動と開廃業率の概況です。
① 存続企業の規模間移動の状況
存続企業のうち約254.0万者は「規模変化なし」となっている。規模が変化した企業のうち、「規模縮小」した企業を見ると、中規模企業から小規模事業者に規模を縮小した企業数が6.5万者と多い(小規模事業者から中規模企業に規模を拡大した企業数は3.8万者)。中規模企業から小規模事業者へ規模を縮小させた企業が比較的多い。
② 開業率・廃業率の推移
開業率は1988年度をピーク(約7.4%)として低下傾向に転じた後、2000年代以降は緩やかな上昇傾向で推移してきたが、2018年度以降に再び低下し、2022年度には3.9%となっている(2021年度は4.4%)。
廃業率は2010年年代から低下傾向となっているが、2022年度は僅かに上昇して3.3%となっている(2021年度は3.1%)。
③ 開業・存続・廃業企業の内訳(企業規模別)
開業企業に占める小規模事業者の割合(84.2%)と比べて、廃業企業には小規模事業者の割合が88.7%と比較的多く存在している。
試験のポイント
- ・規模縮小で最も多いパターン:中規模企業→小規模事業者(6.5万者)
- ・開業率のピーク:1988年度(約7.4%)
- ・2022年度の開業率:3.9%(2021年度4.4%から低下)
- ・2022年度の廃業率:3.3%(2021年度3.1%から上昇)
- ・廃業企業に占める小規模事業者の割合:88.7%(開業企業84.2%より高い)
休廃業・解散の状況と損益
簡単にいうと
コロナ禍に急増した休廃業・解散件数は2023年も高水準。中規模企業の休廃業のうち2023年は黒字割合が5割超(55.8%)。小規模は5割未満(49.6%)と黒字でも休廃業している企業が多い。
休廃業・解散の状況と損益の概況です。
① 休廃業・解散件数の推移
(株)東京商工リサーチの調査によると、2023年の休廃業・解散件数は49,788件で2022年(49,625件)とほぼ同じ水準となっている。
(株)帝国データバンクの調査では、2023年の休廃業・解散件数は59,105件で2022年(53,426件)と比べて増加した。
② 休廃業・解散企業の損益別構成比(企業規模別)
中規模企業では、足下では黒字割合が増加し、2023年では55.8%(5割以上)となっている。
小規模事業者においては、2023年の黒字割合は49.6%(5割未満)となっている。
つまり、黒字であっても廃業を選択する企業(特に後継者難等による)が多く存在している。
試験のポイント
- ・中規模企業の休廃業・解散における黒字割合:2023年55.8%(5割以上)(増加傾向)
- ・小規模事業者の休廃業・解散における黒字割合:2023年49.6%(5割未満)
- ・黒字でも廃業する企業が多数存在する→後継者難等が主因
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