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テキスト/運営管理/JITシステム

JITシステム

第2章 生産の管理

JIT(ジャストインタイム)は、トヨタ生産方式の2本柱のひとつであり、「必要なモノを、必要なときに、必要な量だけ生産する」という考え方です。ここではトヨタ生産方式の基本思想、JITのしくみ、かんばん方式、自働化について学びます。

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トヨタ生産方式と7つのムダ

簡単にいうと

簡単にいうと、トヨタ生産方式とは「付加価値を生まないものはすべてムダ」という考え方に基づき、徹底的にムダを排除する生産方式です。7種類のムダが定義されています。

トヨタ生産方式は、ムダの徹底的排除の思想と、つくり方の合理性を追い求める生産方式であり、リーン生産方式とも呼ばれます。付加価値を生まないものをすべてムダととらえ、次の7つのムダに分類しています。

ムダの種類内容
つくり過ぎのムダ必要以上に多く・早く生産すること
手待ちのムダ次の作業に進めず待っている状態
運搬のムダ不要な移動・仮置き・積替え
加工のムダ求められる以上の機能や精度の加工
在庫のムダものが必要以上にある状態
動作のムダ付加価値を生まない人の動き
不良品・手直しのムダ不良品をつくること、手直しが必要なものをつくること

トヨタ生産方式はジャストインタイム(JIT)自働化(にんべんのついた自動化)の2本の柱によって成り立ちます。

具体例

ある電子部品工場では「7つのムダ」チェックリストを使って現場を巡回しています。「作業者がモノを探す動作(動作のムダ)」が多いことに気づき、工具の定位置管理を導入したところ、探す時間が1日あたり45分から5分に短縮されました。

トヨタ生産方式のJITと自働化の2本柱を示すツリー図

トヨタ生産方式の2本柱

試験のポイント

  • 7つのムダの種類をすべて覚えましょう。特に「つくり過ぎのムダ」が最も重大なムダとされます
  • トヨタ生産方式の2本柱は「JIT」と「自働化」です
  • リーン生産方式=トヨタ生産方式の国際的な呼称です
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ジャストインタイム(JIT)

簡単にいうと

簡単にいうと、JITは「必要なモノを、必要なときに、必要な量だけ作る」という考え方です。作りすぎを防ぎ、在庫や仕掛品を最小限にすることが狙いです。

ジャストインタイム(JIT)とは、「全ての工程が後工程の要求に合わせて、必要な物を、必要なときに、必要な量だけ生産(供給)する生産方式」(JIS Z 8141-2201)です。

JITの主なねらいは3つあります。

1. 中間仕掛品の滞留を防ぐ:過剰生産による保管スペース不足、管理コスト増大、キャッシュフロー悪化、品質低下を防止します

2. 工程の遊休時間の最小化:各工程が計画通りに連続して動き、機械や作業者の待機時間を削減します

3. 生産工程の流れ化とリードタイムの短縮:適切なタイミングで部品を供給し、ライン全体をスムーズに流します

JITを実現するためには、最終組立工程の生産量を平準化すること(平準化生産)が重要です。また、JITでは後工程が使った量だけ前工程から引き取る後工程引取方式(プルシステム)が採用されます。

具体例

自動車の組立ラインでは、最終組立工程で使われた座席シートの分だけ、座席メーカーに発注が行きます。座席メーカーも使った生地の分だけ生地メーカーに発注するという連鎖で、サプライチェーン全体の在庫を最小化しています。

試験のポイント

  • JITの定義で「後工程の要求に合わせて」という表現がポイントです
  • 平準化生産がJIT実現の前提条件であることを覚えましょう
  • JIT=後工程引取方式(プルシステム)との関係を押さえましょう
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かんばん方式

簡単にいうと

簡単にいうと、かんばん方式はJITを実現するための道具で、「かんばん」と呼ばれるカードを使って工程間の生産・運搬の指示を出す仕組みです。

かんばん方式とは、後工程引取り方式を実施する際に、かんばんと呼ばれる作業指示票を利用して、生産指示または運搬指示をする仕組みです(JIS Z 8141-2203)。

かんばんには仕掛けかんばん(生産指示かんばん)引取りかんばん(運搬指示かんばん)の2種類があります。

仕掛けかんばんの流れ:①部品が引き取られると仕掛けかんばんが外れる→②仕掛けかんばんに指示された数量を作る→③仕掛けかんばんを作った部品に付けて置場に置く

引取りかんばんの流れ:④部品を使うときに引取りかんばんを外す→⑤引取りかんばんを持って前工程に部品を取りに行く→⑥仕掛けかんばんを外して引取りかんばんを付ける→⑦引取りかんばんを付けた部品を後工程に運ぶ

かんばんの枚数およびそこに指示される量は、生産量と在庫量をコントロールする道具です。かんばんの枚数を減らすとロット量は小さくなり在庫も減少します。極限まで減らして1枚にすると工程間在庫は1個になり、これを「1個流し」と呼びます。

具体例

トヨタの工場では、部品棚に付いている仕掛けかんばんが外れた(=部品が使われた)瞬間に、前工程への生産指示が発生します。このようにかんばんが情報の流れとモノの流れを同期化させることで、ムダな在庫を持たない生産を実現しています。

前工程・ストア・後工程間のかんばん循環を示すフロー図

かんばん方式の概念図

区分
仕掛けかんばん
引取りかんばん
別名
生産指示かんばん
運搬指示かんばん
役割
前工程に「作れ」と指示
前工程から「持ってこい」と指示
循環先
前工程内で循環
前工程と後工程の間で循環

試験のポイント

  • 仕掛けかんばん(生産指示)と引取りかんばん(運搬指示)の2種類を区別しましょう
  • かんばんは生産量と在庫量をコントロールする道具であるという点が重要です
  • 「1個流し」はかんばんの枚数を最小(1枚)にした究極の姿です
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自働化

簡単にいうと

簡単にいうと、自働化は「異常が起きたら機械が自分で止まる」仕組みのことです。普通の「自動化」と違い、品質の問題を見逃さないように人間の知恵を機械に組み込んだ考え方です。

自働化(にんべんのついた自動化)とは、単なる機械の自動化に人間の知恵を加えた考え方です。設備や生産に異常が生じたとき、機械自身が自動的に停止する仕掛けや、作業者が自らラインを止められる仕組みを指します。

自働化の効果は以下の3点です。

1. 不良品の流出防止:異常発生時に即座に停止し、不良品が後工程に流れることを防ぎます

2. 原因究明と再発防止:異常を明確にすることで真の原因を追究できます

3. 省人化(工数低減):人が常に設備を監視する必要がなくなり、付加価値の高い作業に集中できます

異常が発生するとあんどんと呼ばれる表示装置が点灯して作業者に知らせます。自働化は「工程内で品質をつくり込みながら、生産性の向上を実現する考え方」といえます。

具体例

織機メーカーとして創業したトヨタでは、糸が切れると自動的に機械が止まる「自動停止装置」を発明したことが自働化の原点です。現代の自動車工場では、溶接ロボットが異常な火花パターンを検知すると自動停止し、あんどんが点灯して監督者に通知する仕組みが導入されています。

試験のポイント

  • 自働化は「にんべんのついた自動化」であり、単なる自動化(Automation)とは異なります
  • 異常時に自動停止→不良品を流さない→品質のつくり込みという流れを理解しましょう
  • あんどんは異常の見える化(目視管理)のツールです

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
7つのムダ
付加価値を生まないものを7分類して徹底排除します
つくり過ぎのムダが最も重大です
JIT
必要なモノを必要なときに必要な量だけ生産します
平準化生産が前提条件、プルシステムで実現します
かんばん方式
仕掛けかんばんと引取りかんばんで生産・運搬を指示します
生産量と在庫量をコントロールする道具です
自働化
異常時に自動停止し不良品を流しません
「にんべんのついた自動化」で品質をつくり込みます

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