システムの処理形態
システム構成技術
データを処理するやり方は大きく分けて「まとめて一気に」と「来たらすぐ」の2パターン!さらに1台で処理するか複数台で分担するかの違いもあるよ!
システムの処理形態
簡単にいうと
データを処理するやり方は大きく分けて「まとめて一気に」と「来たらすぐ」の2パターン!さらに1台で処理するか複数台で分担するかの違いもあるよ!
① バッチ処理とリアルタイム処理
コンピュータがデータを処理するタイミングには、大きく2つの方式があります。業務の性質に合わせて適切な方式を選択することが重要です。
バッチ処理(一括処理)は、一定期間にわたって蓄積されたデータをまとめて一括で処理する方式です。日次・月次・年次といったサイクルで実行され、即時性は求められないが大量のデータを効率よく処理したい業務に適しています。たとえば、毎月の給与計算では全従業員の勤怠データを月末にまとめて処理しますし、公共料金の請求書発行も月ごとに集約して一括印刷されます。
リアルタイム処理(OLTP: Online Transaction Processing)は、データが発生した時点で即座に処理を行い、結果を返す方式です。待ち時間を極力なくすことが求められる業務で採用されます。座席予約システムでは空席確認と予約を瞬時に行わなければ二重予約が発生しますし、ATMでは残高照会や入出金をその場で確定させる必要があります。
| 項目 | バッチ処理 | リアルタイム処理(OLTP) |
|---|---|---|
| 処理タイミング | 一定期間ごとにまとめて実行 | データ発生時に即座に実行 |
| 即時性 | 不要(遅延許容) | 必須(即時応答) |
| 適用業務 | 給与計算、請求書発行、統計集計 | 座席予約、ATM、POSレジ |
| 処理効率 | 大量データの効率的処理に優れる | 個々のトランザクション単位で処理 |
| 評価指標 | ターンアラウンドタイム | レスポンスタイム |
② 集中処理と分散処理
システム全体の計算資源をどのように配置するかという観点では、集中処理と分散処理の2つのアプローチがあります。
集中処理は、1台の大型コンピュータ(ホストコンピュータやメインフレーム)にすべての処理を集約する方式です。管理が一元化できるため運用がシンプルですが、その1台が故障するとシステム全体が停止するという重大なリスクを抱えています。また、利用者が増加すると処理能力のボトルネックになりやすい点も課題です。
分散処理は、複数のコンピュータに処理を分担させる方式です。1台が故障しても他のコンピュータが処理を継続できるため、システム全体としての信頼性が向上します。一方で、複数台の管理が必要になるため運用コストやセキュリティ管理の複雑さが増すというトレードオフがあります。
| 項目 | 集中処理 | 分散処理 |
|---|---|---|
| 構成 | ホストコンピュータ1台に集約 | 複数コンピュータで分担 |
| 処理速度 | 高速(専用大型機) | 個々は低速だが全体で分担 |
| 信頼性 | 低い(単一障害点) | 高い(局所的故障で全停止しにくい) |
| 管理 | 一元管理が容易 | 分散管理で複雑化 |
| 拡張性 | 限界がある | 台数追加で拡張しやすい |
③ クライアントサーバシステム(C/Sシステム)
分散処理の代表的な形態がクライアントサーバシステムです。ネットワーク上のコンピュータを「サービスを要求する側(クライアント)」と「サービスを提供する側(サーバ)」に役割分担させます。
たとえば、社内の業務システムでは社員のパソコンがクライアントとしてデータの検索や入力を行い、サーバがデータベースの管理や業務ロジックの実行を担当します。この役割分担により、クライアント側は画面表示と入力に専念でき、サーバ側はデータの整合性管理に集中できるため、システム全体の効率と保守性が向上します。
サーバの種類としては、Webサーバ(Webページの配信)、データベースサーバ(データの格納・検索)、メールサーバ(電子メールの送受信)、ファイルサーバ(共有ファイルの保管)、プリントサーバ(プリンタ共有)などがあり、それぞれ異なる役割を専門的に担います。近年ではクラウドサービスの普及により、物理的なサーバを自社で保有せず、インターネット経由でサーバ機能を利用する形態も一般的になっています。
具体例
バッチ処理とリアルタイム処理の違いを、銀行業務で考えてみましょう。
あなたがATMで1万円を引き出す場面を想像してください。カードを入れて暗証番号を入力し、金額を指定すると、銀行のシステムはその瞬間に残高を確認し、引き出し可能かを判断して現金を排出します。これがリアルタイム処理です。もし「残高確認は夜間にまとめて行います」では困りますよね。
一方、毎月届く銀行の取引明細書はバッチ処理で作成されています。月中のすべての取引データを月末にまとめて集計し、翌月初に一括で明細書を印刷・発送します。1件1件の取引発生時に明細書を作る必要はないため、まとめて効率よく処理するバッチ方式が適しています。
このように「いつ処理するか」を業務の性質に合わせて選択することがシステム設計の第一歩です。
また、集中処理と分散処理の違いも日常に置き換えられます。集中処理は「1つの巨大な図書館にすべての本を集めて管理する」イメージで、探しやすいですがその図書館が閉館すると本が一切借りられません。分散処理は「地域ごとに図書館を設置する」イメージで、1つが閉館しても他の図書館は利用可能です。
試験のポイント
- ・要は「バッチ=まとめて処理(給与計算)、リアルタイム=即時処理(ATM)
- ・集中=1台で高速だが故障時に全停止、分散=複数台で信頼性高」
- ・クライアントサーバはクライアント=要求側、サーバ=提供側の役割分担
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