独占市場
不完全競争
この節では、独占市場における企業行動を学びます。独占企業は市場全体の需要曲線に直面し、限界収入MRが価格Pより低くなることが最大の特徴です。MR=MCの利潤最大化条件から導かれる「高価格・低生産量」の帰結と、それが生み出す死荷重(厚生損失)を余剰分析で理解しましょう。
限界収入と需要曲線
簡単にいうと
独占企業は市場全体の需要曲線に直面する!もう1個売るために値下げが必要だから、限界収入は価格より低くなるの!
完全競争企業はプライステイカーなので限界収入MR=価格P(水平な需要曲線)。独占企業はプライスメーカーで市場全体の右下がり需要曲線に直面する。生産量を1単位増加させると、①その1単位の販売収入が得られるが、②既存の全単位の価格も下がるため、限界収入MRは価格Pより小さくなる。直線の需要曲線D: のとき、収入 、限界収入 。MR曲線はD曲線と同じ切片で傾きが2倍(MR曲線はD曲線の中点を通る)。
具体例
需要曲線 P=100-Q のとき、MR=100-2Q。Q=20のとき P=80、MR=60。差の20は既存20単位の価格が1円下がることによる収入減少分。
試験のポイント
- ・要は「独占企業のMRは価格より低い(値下げしないと売れないから)」がポイント
- ・直線の需要曲線では MR の傾きは D の2倍
- ・MR曲線はD曲線と縦軸切片が同じで、横軸切片がDの半分
独占企業の利潤最大化
簡単にいうと
独占企業も利潤最大化の条件は「MR=MC」!ただし完全競争と違って価格はMCより高くなるよ!
独占企業の利潤最大化条件: MR = MC。完全競争企業と異なり P = MR ではないため、P > MR = MC となり、価格はMCより高くなる。利潤最大化の手順: ①MR=MCを満たす生産量Q*を求める。②需要曲線上でQ*に対応する価格P*を読む。③利潤=(P*-AC*)×Q*。独占企業の生産量Q*は完全競争均衡の生産量Q_cより少なく、価格P*はP_cより高い。
具体例
D: P=100-Q、MC=20(一定)のとき、MR=100-2Q=20 → Q*=40、P*=100-40=60。完全競争ならP=MC=20、Q_c=80。独占は生産量半分、価格3倍。

独占市場の利潤最大化と死荷重
試験のポイント
- ・要は「MR=MCで生産量を決め、需要曲線から価格を読む」の2ステップ
- ・P>MC が独占の特徴(完全競争ではP=MC)
- ・利潤=(P-AC)×Qの計算問題が頻出
- ・独占は完全競争より「高価格・低生産量」
独占の弊害と余剰分析
簡単にいうと
独占だと完全競争より生産量が少なくて価格が高いから、社会全体では損失(死荷重)が生まれちゃう!
完全競争均衡(P=MC、Q_c)と比較して、独占均衡(P*>MC、Q*<Q_c)では社会的総余剰が小さくなる。死荷重(厚生損失)が発生: 完全競争均衡点と独占均衡点の間の三角形。消費者余剰は大幅に減少(一部は独占企業の利潤に移転、残りは死荷重)。生産者余剰は増加(利潤が増えるため)。社会的総余剰=消費者余剰+生産者余剰は減少。
具体例
D: P=100-Q、MC=20のとき、完全競争: P=20,Q=80、消費者余剰=1/2×80×80=3200、生産者余剰=0。独占: P=60,Q=40、消費者余剰=1/2×40×40=800、生産者余剰=(60-20)×40=1600。死荷重=3200-(800+1600)=800=1/2×(80-40)×(60-20)。
試験のポイント
- ・要は「独占→高価格・低生産量→完全競争と比べて三角形の死荷重が発生」ということ
- ・完全競争均衡と独占均衡の余剰比較は超頻出の計算問題
- ・死荷重の三角形の面積計算を確実にできるようにする
まとめ
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